「読書を習慣にしたい」と思って本を買ったものの、数日で読まなくなってしまった――そんな経験をしたことがある人も多いでしょう。
実はそれは、決して珍しいことではないんです。
文化庁が発表した令和5年度の「国語に関する世論調査」によると、月に1冊も本を読まない人が約6割にのぼるという結果が出ています。
読書は、知識を身につけたり視野を広げたりするのに役立つ習慣ですが、「何度チャレンジしても続かない」「本に対する苦手意識がなくならない」と感じている人は少なくありません。
多くの場合、読書習慣が身につかない原因は、才能や意志の問題ではなく、本の選び方や読み方が合っていないことにあります。
苦手意識のあるまま無理に読書を続けようとすると、「やっぱり自分には向いていない」と感じてしまい、挫折を繰り返す悪循環に陥りがちです。
この記事では、読書が続かない理由を整理したうえで、読書を無理なく生活に取り入れるための考え方や、三日坊主を防ぐための具体的なポイントを紹介していきます。
「今度こそ読書を習慣にしたい」と思っている方は、ぜひ最後までお読みください。
読書習慣が身につかない7つの理由
もし、何度も本を買って読書を習慣づけようと頑張っても身につかないなら、それは努力の仕方を間違えているかもしれません。
まずは、読書習慣が身につかない理由を知るところから始めましょう。
読書のメリットを実感できていない
人は何かするとき、自分にメリットがないと行動できないものです。
読書も例外ではありません。
現代人は何かと忙しい上に、仕事や家事、スマートフォンの通知、SNSや動画など、気を取られるものが身の回りにあふれている中、読書の良さを実感できていない状態だと、どうしても優先順位は下がってしまいます。
読書には、すぐに思いつくだけでも次のようなメリットがあります。
仕事や勉強に必要な知識が身につく
新しい考え方や価値観に触れられる
理解力や思考力が鍛えられる
想像力・創造力が豊かになる
共感力が高まり、人とのコミュニケーションに活かせる
気持ちを切り替えられ、リラックス効果が期待できる
特に「新しい知識が増える」のは大きなメリットです。
読書ならば、わずか2,000円前後の出費で新しい知識が増え、それを活かせばコミュニケーションにも役立ちますし、ビジネスでも頼りにされるようになります。
ただ、こうしたメリットを自分ごととして感じられていないと、「今すぐやらなくてもいいもの」として後回しにされがちです。
読書を習慣にするためには、まず続けることで何が得られるのかを理解することが欠かせません。
なお、読書を習慣化することで得られるメリットについては、後ほど詳しく紹介します。
文字に苦手意識がある
読書習慣が身につかない理由として、意外と多いのが「文字に苦手意識がある」というケースです。
本を開いた瞬間に眠くなってしまったり、ページいっぱいに並ぶ文字を見るだけで読む気が失せてしまったりする人もいるのではないでしょうか。
こうした苦手意識の背景には、これまでの読書体験が影響していることもあります。
学生時代に興味のない本を「読まされる」形で読書をしてきた結果、本そのものに苦手意識を持ってしまったという人が多いように見受けられます。
ただし、多くの場合、文字そのものが嫌いというわけではありません。
スマートフォンのニュース記事やSNSの投稿、漫画などは問題なく読めるという人がほとんどです。
つまり、びっしりと文字が書かれた「本」という存在に苦手意識を抱いているのでしょう。
実際、活字離れに関する調査では、「活字に触れる機会が減った」と感じている人が約8割にのぼるという結果も出ています。
本や新聞といった紙の活字に触れる機会が減り、日常的に目にする文字の多くがスマートフォン経由になっている今、本に対してハードルを感じてしまうのはごく自然のこととも言えるでしょう。
読書を習慣づけるためには、まず「本は難しい」「読むのがつらい」といった先入観を取っ払う必要があります。
他のことに気をとられて集中できない
本を読んでいても習慣化できない人の多くが、日常生活にある誘惑に負けています。
例えば、以下のような状況であれば集中できません。
スマホの通知が頻繁になる
テレビがついている
家族が話しかけてくる
家族の生活音がうるさい
こうした状態で読書を続けようとしても、何度も中断されてしまい、内容が頭に入りにくくなります。
その結果、「読んでいるのに理解できない」「思うように読み進められない」と感じてしまい、次第に読書そのものがストレスになってしまうこともあるでしょう。
特に現代は、スマートフォンやデジタル機器が常に身近にある環境です。
少しの通知や物音でも意識がそちらに向いてしまい、集中力が途切れやすくなっています。
集中できないのは意志が弱いからではなく、集中しにくい環境に身を置いているだけというケースも多いのです。
このような場合は、無理に集中しようとするよりも、読書をする場所や時間帯を見直す必要があります。
中でも、読書をするのに最も効果的だと言われているのは朝です。
いつもより少し早く起きて、スマホやテレビに触れる前に本を開くだけでも、驚くほど集中しやすくなります。
忙しくて読書する時間が作れていない
仕事や家事、通勤、育児など、日々の予定に追われていると、「ゆっくり本を読む余裕がない」と感じてしまい、当然習慣化できません。
日本だけが特別労働時間が長いというわけではありませんが、細かな残業や長距離通勤が当たり前になっている方も少なくありません。
さらに、共働き世帯は1980年には614万世帯でしたが、2022年にはそのおよそ2倍にあたる1,262万世帯まで増えています。
仕事と家庭を両立しながら過ごす中で、読書の時間を確保するのが難しくなるのは、ごく自然なことです。
子どもの場合も、最近では早い段階から塾や習い事を始めるケースが多く、参考書や教科書は読めても、勉強が忙しくて純粋な読書を楽しむ余裕がないというケースがよくみられます。
仕事や勉強が忙しい状態で、「時間ができたら読もう」と考えていると、読書がどんどん後回しにされて、しまいには忘れ去られてしまうでしょう。
本を買ったまま読まずに放置してしまい、気づけば存在自体を忘れてしまう、という経験がある人もいるのではないでしょうか。
忙しい中でも読書を習慣にしたいのであれば、まとまった時間を確保しようとするよりも、スキマ時間を活用したり、あらかじめ読書の時間を決めてしまったりすることが大切です。
「時間ができたら読む」のではなく、「読む時間を作る」という意識に切り替えることで、読書は少しずつ生活に組み込みやすくなります。
最初から難しい内容の本を選んでいる
「せっかく読むなら自分のためになる本を選びたい」と考えて、文字がぎっしり詰まった本や、小難しい文体の本を選んではいませんか?
向上心があるのは素晴らしいことですが、読書に慣れていない状態でこうした本を選ぶと、読み進めるだけで大きな負担になってしまいます。
活字に慣れていないうちは、内容を理解する前に読むこと自体に疲れてしまい、「本を読むのは大変」「読書は苦痛だ」という印象が残りがちです。
結果として、数ページ読んだだけで本を閉じてしまい、読書から遠ざかってしまうケースも少なくありません。
まずは文字量が少なく、テンポよく読める本を選び、活字に慣れることが大切です。
「最後まで読み切れた」という小さな成功体験を積み重ねることが、読書習慣をつける近道です。
本の内容を完璧に理解しようとしている
本を頑張って読もうとしても、読むのが遅くてなかなか進まないと苦手意識を強めてしまいます。
読書に慣れていないうちは、読むスピードが遅くなるのは自然なことです。
それに加えて、内容をすべて理解しようとしながら読み進めてしまうと、どうしても時間がかかってしまい、読書することに疲れてしまいます。
まずは、多少意味が分からない部分があっても読み進めることが大切です。
読み進めていくうちに、前後の流れから理解できるようになったり、重要なポイントだけが自然と頭に残ったりすることもあります。
また、本の中には、自分にとって必要のない情報が含まれていることもあります。
すでに知っている内容や、今は必要ないと感じる部分は、無理に読み込まず読み飛ばしても問題ありません。
特にビジネス書の場合は、「知りたいこと」に関するキーワードを意識しながら目で追うだけでも、十分に学びを得ることができます。
読書を習慣にするうえで大切なのは、内容をすべて理解することではなく、まず最後まで読み進めることです。
流し読みでも一冊読み終えられれば、「読めた」という感覚が自信につながります。
もっと深く理解したいと感じたときに、改めて読み返せば大丈夫です。
そもそも何の本を選んでいいか分からない
普段あまり本を読まない人が、いざ「読書を始めよう」と思っても、書店に並んでいる多くの本から1冊を決めるとなると、面倒くさいと感じてしまう方も少なくありません。
こういった負のループにはまっている人も多いのではないでしょうか。
総務省の統計によると、2023年には新しい本が年間で64,905冊発行されています。
1日に換算すると、毎日170冊近い本が世に出ている計算になり、これまでに出版された膨大な数の本も含めると、選択肢が多すぎて迷ってしまうのは当然のことといえるでしょう。
読書を習慣にしたいのであれば、最初から自分で一から選ぼうとする必要はありません。
幸いなことに、ネットやSNSを調べれば、さまざまな人が目的に応じたおすすめ本を紹介しています。
「仕事に役立つ本」「人間関係について学べる本」など、テーマを絞って探すことで、本選びのハードルはぐっと下がります。
本選びになれないうちは、こういった情報源を上手く活用していきましょう。
参考:https://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/n252600500.xlsx
読書を習慣化する5つのメリット
読書を習慣化させるためには、メリットを知ることが重要です。
ここからそれぞれ解説していくので、読み終えたころにはきっと「本を読んでみたい」と感じていることでしょう。
新しい知識が増えて仕事や勉強に役立つ
読書をすることで、今まで知らなかったことを知ることができます。
もし仕事関連で分からないことが出てきたとき、その分野の本をたくさん読みまくれば、知識は少しずつ積み重なり、やがてその道の専門家のような存在になれるでしょう。
反対に、分からないことをそのままにしていれば、知識は増えないままです。
読書で得た知識は、仕事や勉強の成果にも直結します。
知識が増えることで提案の幅が広がり、説明にも説得力が生まれるため、営業成績が上がったり、評価につながったりする可能性も高まります。
勉強においても同じで、志望校の合格や資格取得といった目標を達成するには、どうしても膨大な知識量が必要になります。
知らないことを調べるだけならインターネットやAIだけで十分、と読書を敬遠する方も少なくありません。
確かにインターネットは、すぐに情報が得られる便利な方法です。
しかし、ネットやAIの情報は断片的なものが多く、信頼性に欠ける情報もあるのが現実。
その点、本は出版社によるファクトチェックが入るため、情報の正確性という面ではインターネットよりも安心できるでしょう。
語彙力が身につき、自分の考えを伝えやすくなる
読書を続けることで、自然と多くの言葉や表現に触れることができ、言い回しの引き出しが増えていきます。
語彙力とは、言葉をどれだけ知っているかや、それを適切な場面で使いこなせる力のことです。
本を読み続けていると、これまで「うまく言葉にできない」「どう表現すればいいか分からない」と感じていたことも、少しずつ言語化できるようになります。
会話の中で言葉を覚えることもできますが、本で実際の使われ方を目にすることで、「この言葉はこういう場面で使うものなんだ」と理解することが可能です。
語彙力が高まると、会話だけでなく、メールや資料作成などの場面でも役立ちます。
上司や同僚に説明するときも、なんとなくで伝えるのではなく、「こういう理由があるからです」と言葉で補足できるようになれば、相手の理解度は大きく変わるでしょう。
自分の考えを正確に伝えられるようになることは、仕事の評価や信頼にもつながっていきます。
想像力が育ち、人とのコミュニケーションがうまくなる
本は、漫画のように絵や映像で状況が示されるものとは違い、文章だけを手がかりに場面や登場人物の気持ちを想像しながら読み進めていくものです。
言葉を読み取り、「このときどんな表情をしているのだろう」「なぜこんな言葉を選んだのか」と考える過程そのものが、想像力を鍛えるトレーニングになります。
想像力が豊かになると、先を予測する力も身についていきます。
仕事においても、「このまま進めたらどんなリスクがあるか」「相手はどう受け取るか」といった視点を持てるようになり、トラブルを未然に防いだり、落ち着いて対処できるようになるでしょう。
また、想像力は人の気持ちを汲み取る力にもつながります。
読書では、登場人物の感情や背景、考え方に触れる機会が多く、自然と「相手の立場で考える」癖が身についていきます。
その結果、上司や部下、同僚、取引先、友人など、さまざまな人との関わりの中で、相手の状況や気持ちを考えた対応ができるようになります。
特に小説やエッセイは、想像力を高めるのにおすすめです。
小説やエッセイは、漫画とは違い、状況が一目でわかる映像や音声が分かる描写がありません。
登場人物の心情や考え方に共感できることがあれば、「えっなんでそんな行動するの?」と違和感を覚える場面に出会うこともあるでしょう。
しかし、物語は自分の思いどおりには進みません。
納得できなくても、「そういう考え方もあるのか」と受け入れながら読み進めていきます。
こうして、何度も自分とは異なる価値観や考え方に触れることで、少しずつ視野が広がっていきます。
その積み重ねが、実生活でも相手の立場や考えを想像し、受け止める余裕につながっていくのです。
達成感を味わえる
本を1冊読み終えたとき、「やり切った」という達成感を味わえるのも、読書を習慣化する大きなメリットです。
この達成感は、実はとても重要な感覚です。
人は、どんなに小さなことでも「できた」「終わった」と感じると、脳内でドーパミンと呼ばれる物質が分泌されます。
ドーパミンは「快楽ホルモン」ともいわれており、分泌されることで次のような良い影響が期待できます。
嬉しさや楽しさを感じやすくなる
前向きで意欲的な気持ちになる
集中力が高まる
特に、毎日がなんとなく退屈に感じている人や、ついネガティブに考えてしまう人は、「本を1冊読み切った」という達成感を味わうことで、自分を前向きに変えるきっかけになるということです。
さらに、この達成感を何度も積み重ねていくことで、「最後までやり遂げる」というクセが身についていきます。
本を最後まで読む → 達成感を得る → また読みたくなる、という良いサイクルが自然と生まれるのです。
最初は短い本や読みやすい本でも構いません。
「1冊読み終えた」という経験を積み重ねていくことで、読書そのものが楽しくなり、習慣として定着しやすくなっていくでしょう。
ストレスを軽減できる
好きなジャンルの本を読む時間は、それだけで楽しいものです。
旅行が好きな人なら、海外旅行の雑誌や紀行エッセイを読むことで、まるで自分が旅をしているかのような気分を味わえるでしょう。
小説が好きなら、気に入った作品の続きが気になってつい夜更かしして読み続けてしまった、なんてこともあるでしょう。
物語の世界観や登場人物にどっぷり浸かることで、日常の悩みやストレスから一時的に離れられ、「気づいたら気持ちが軽くなっていた」という感覚を得られることもあります。
登場人物のセリフに胸が熱くなったり、主人公の恋に自分までワクワクしたりと、本の中で感情を動かす時間そのものが、ストレス発散につながっているのです。
もしこれまで小説やエッセイをあまり読んだことがないなら、「面白そう」「気になる」と感じた本を手に取ってみてください。
きっと、寝食を忘れて読みふけってしまうような「神本」に出会えるはずです。
実際に、たった6分間の読書でストレスが約68%軽減されるという研究結果もあります。
この数値は、音楽鑑賞や散歩、コーヒーを飲むこと、ゲームなどよりも高い効果があったとされており、読書が心のリフレッシュに非常に有効であることが分かっています。
読書はただ単に知識を得るためだけのものではなく、心を休ませる時間としても、十分に価値のある習慣といえるでしょう。
読書習慣を身につけるために覚えておきたい7つのポイント
たくさんのメリットがあると分かっていても、なかなか読書を習慣づけるのは難しいものです。
しかし、続けやすくなるコツさえ覚えれば簡単に読書習慣を身につけられます。
ここからは、読書習慣を身につけるために覚えておきたい7つのポイントを紹介します。
どれも難しいものではないので、自分に合いそうなものから取り入れてみてください。
最初に自分なりの計画を立てておく
読書を習慣にしたいなら、まずは自分なりの計画を立てておくことが大切です。
計画がないまま始めてしまうと、ゴールが見えず、「今日はどこまで読めばいいのか」「いつ読めばいいのか」が分からなくなってしまいます。
そうなると、「今日は時間がないから」「また明日読もう」といった理由をつけて、いつの間にか読書をやめてしまいがちです。
読書が続かない人の多くは、意志が弱いのではなく、行動の設計が曖昧なだけともいえます。
社会心理学者で、コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長のハイディ・グラント・ハルバーソンは、著書『やり抜く人の9つの習慣』の中で、実行力を高める行動計画として「if-thenプランニング」を紹介しています。
if-thenプランニングとは、
if(もし〇〇になったら)
then(△△をする)
という形で行動を決めておく方法です。
実際、「ジムに行く」という曖昧な目標を立てた人よりも、 「もし火・木・土になったら、仕事後にジムで1時間トレーニングをする」 といったように具体的に決めた人の方が、行動の達成率が大幅に高かったという結果が出ました。
これは、人の脳が「〇〇なら△△をする」とセットにした方が情報を記憶しやすく、行動に移しやすいからだそうです。
この考え方は、読書習慣にもそのまま当てはめることができます。
例えば、
朝食を食べたら、5分だけ本を読む
電車に乗ったら、スマホではなく本を開く
寝る前に布団に入ったら、1章だけ読む
といった具合です。
「いつか読む」「時間ができたら読む」ではなく、 「この行動のあとに、これをする」と決めておくだけで、読書は格段に実行しやすくなります。
目標は「何冊」ではなく「読み終えること」
読書を習慣化させるうえで多くの方が、「何冊読んだか」を気にしがちです。
しかし、「今月は3冊読む」「週に1冊読む」といった目標を立ててしまうと、かえって挫折しやすくなります。
心理学には、「セルフ・エフィカシー」という考え方があり、これは「自分はこの行動をやり遂げられる」という自信のことを指し、この感覚が強いほど、人は行動を続けやすくなるとされています。
セルフ・エフィカシーを高めるためには、成功体験を積み重ねることが重要です。
「今日は15ページ読む」「今日は10分読む」のように自分のできそうな目標で構いません。
その目標を達成していくことで成功体験を増やしていけます。
そうすることでセルフ・エフィカシーが高まり、さらに高い目標を掲げてもクリアするための力が身についているため、習慣化できるようになります。
「週に〇冊」といった冊数目標は、本の内容や文字量によって難易度が大きく変わるため、失敗体験になりやすいのが難点です。
読むのに時間がかかる本に当たると目標を達成できず、「やっぱり自分には無理だ」と感じてしまう原因にもなります。
大切なのは、どれだけ速く読むかではなく、最後まで読み終えることです。
時間がかかっても構いません。
決めた時間だけ本を開き、少しずつでも読み進めて「読み切った」という経験を積み重ねていきましょう。
最初は“軽く読める本”を選ぶ
本を読み始めようとしたときに、いきなり難しい本を選んでしまうと、「やっぱり読書は苦手だ」という印象を持ってしまいがちです。
読書に慣れていないうちは、内容を理解する以前に「読むこと自体」が負担になりやすいため、挫折につながる可能性も高くなります。
また、最初のうちは簡単に読み終えられる本を選ぶことで、前述した「セルフ・エフィカシー(できたという自信)」を感じやすくなります。
「最後まで読めた」という成功体験を積み重ねることが、読書を習慣化するうえでとても重要なポイントです。
読みやすい本を選ぶ際は、次のような点を意識してみましょう。
ビジネス書の場合は、文字だけで埋め尽くされているものよりも、色が使われていて視覚的にメリハリのあるものがおすすめです。
文字が大きめで、図やイラストが随所に入っている本は、内容をイメージしやすく、読み進める負担も軽くなります。
小説の場合は、文語体が多い文学作品よりも、比較的新しく書かれた作品の方が読みやすい傾向があります。
また、上下巻に分かれた長編ではなく、短編集や一冊で完結する物語を選ぶと、「読み切れた」という達成感を得やすくなります。
たとえ一冊完結でも、最初から分厚い本を選ぶと途中で挫折しやすいため、ボリュームの少ないものから始めるとよいでしょう。
読書に挑戦するとき、「難しい本を読まなければ意味がない」と思っていませんか?
分厚くて内容の難しい本に憧れる気持ちも分かりますが、慣れていないうちは読むのに時間がかかり、途中で嫌になってしまう原因になりがちです。
最初は、気軽に読める本で十分です。
文字が大きく、厚みがそれほどない本や、挿し絵や写真が入っていて興味を持ちやすいものを選びましょう。
「最後まで読めた」という経験を重ねていくことで、読書は少しずつ身近な習慣になっていきます。
すべてを理解しようとしなくていい
本を読むとき、一言一句丁寧に読み進めていませんか?
読書をするとき、最初からすべてを理解しようとする必要はありません。
すべてを理解しながら読むのは、地図を片手に一歩進むごとに立ち止まって確認しながら歩くようなものです。
時間がかかるうえに、なかなか前に進めず、途中で疲れてしまいます。
読書も同じで、最初から完璧を目指すと、読み進められないこと自体がストレスになり、「読書は大変」「自分には向いていない」と感じてしまいます。
読書を習慣化するうえで大切なのは、しっかり理解できていなくても、とりあえず読み進めていくことです。
多少分からない部分があっても気にせず読み進めることで、全体の流れがつかめたり、あとから意味がつながったりすることもあります。
川の流れに身を任せるように読み進めていくうちに、自然と読むスピードも上がっていくでしょう。
また、本の中には、自分にとって必要のない情報が含まれていることもあります。
すでに知っている内容や、今の自分には関係がないと感じる部分は、寄り道だと思って読み飛ばしても構いません。
特にビジネス書は、すべてを暗記するためのものではなく、「必要なところを拾いに行くもの」です。
知りたいテーマに関するキーワードを目で追うだけでも、大切なポイントは十分つかめます。
一度流し読みで最後まで読み終え、「もっと深く知りたい」と感じたら、そのときにもう一度読み返せばより深く理解できるでしょう。
最初から完璧に理解しようとせず、「まずは最後までたどり着く」ことを目標にすることが、読書を無理なく続けるコツといえます。
合わない本は無理に読み続けない
本を読んでいると、どうしても読み進めるのが苦痛に感じてしまう本に出会うことがあります。
それは決して珍しいことではありません。
例えば、文章のテンポが合わない、表現が回りくどく感じる、作者の考え方にどうしても共感できない、といった理由もあれば、はっきりした理由はないけれど「なんとなく読みにくい」「ページをめくる手が止まる」と感じることもあるでしょう。
本を最後まで読み切ること自体は大切ですが、「読むのが辛い」と感じる本まで無理に読み続ける必要はありません。
我慢しながら読み終えたとしても、「やっと終わった」という疲労感だけが残り、読書そのものが嫌いになってしまう可能性があるからです。
読書は、義務でも修行でもありません。
楽しさや学びを得るためのものです。
もし途中で「この本は自分には合わないな」と感じたら、思い切って読むのをやめてしまってもいいんです。
それは挫折ではなく、「自分に合わない本を見極められた」という立派な選択といえます。
世の中には無数の本があるため、今の自分に合う本があれば合わない本も、もちろんあります。
大切なのは、1冊に固執することではなく、「自分に合う本と出会うこと」です。
合わない本を手放すことで、次に手に取る1冊への心理的なハードルが下がり、読書はぐっと気軽なものになります。
「最後まで読まなきゃ」という思い込みを手放すことが、結果的に読書を長く続ける近道です。
読書習慣を習慣化させるためには「仕組み」で続けるのが効果的
読書を続けるうえで大切なのは、やる気や意志の強さも必要ですが、「仕組み」があればもっと簡単に習慣化できます。
どれだけ「読もう」と思っていても、忙しい日や疲れている日は後回しになりがちです。
だからこそ、読書を「頑張る行動」にするのではなく、考えなくても自然にやる行動、つまり「仕組み」にしてしまうことが重要です。
「いつ・どのタイミングで読むか」をあらかじめ決めておけば、その都度迷う必要がなくなり、読書はぐっと続けやすくなります。
まとめ:読書習慣で人生は変わる
たかが読書と考えている方もいたのではないでしょうか。
しかし、読書を習慣にすることで、新しい知識が増え、語彙力が身につき、想像力やコミュニケーション力も育っていくなど、メリットは大きくあり、あなたの人生を豊かにしてくれるでしょう。
仕事や勉強の成果につながることもありますし、考え方に余裕が生まれ、人とのコミュニケーションもスムーズになりやすくなります。
さらに、本を読み終えたときの達成感や、物語に没頭する時間は、日々のストレスを和らげてくれるはずです。
こうした積み重ねをすることで、メンタルを強くするとも言われています。
読書が習慣化できない方の多くは、「自分に向いていない」のではなく、続け方を知らなかっただけです。
大切なのは、最初から完璧を目指さないこと。
難しい本を無理に読まなくてもいいですし、すべてを理解しようとしなくても構いません。
自分に合わない本は手放し、読みやすい本を少しずつ読み進めるだけでも十分です。
そして、もし読書習慣ができずに悩んでいるなら、「やるかどうか」で迷わないために、仕組みの力を借りるのもひとつの方法。
例えば、習慣化アプリを活用すれば、読書を生活の流れに自然と組み込むことができます。
今日からいきなり長時間読む必要はありません。
まずは数ページ、数分からで大丈夫です。
小さな読書の積み重ねが、やがて考え方や行動を変え、人生をもっと楽しいものにしてくれるでしょう。